地球観測衛星ランドサットは地上約915km(1、2、3号。4、5号は約705km)の上空から地球を観測しています。日本列島の観測は、午前9時半前後に行なわれ(太陽同期軌道)、衛星が地球を一周する時間は約103分、18日で世界中を観測します。このようにして地球を観測したデータは、地上の受信局(日本の場合は、埼玉県の鳩山町)で受け、コンピュータ処理して、画像化されます。ランドサット画像は1シーンで185kmx185kmの地域をカバーしています。したがってランドサット画像で日本列島全体を見るためには60シーン以上のデータが必要となります。ランドサットマップ日本列島はランドサットMSS画像72シーンをコンピュータでモザイクして作成した衛星地図です。
このランドサットマップで緑色系で見えるのは、植生に覆われた地域です。東北地方や中部地方の山岳地帯の森林は、緑色、青緑色、黄緑色に映っています。これは、樹種の違いや、状態の違い(落葉樹の季節変化等)によるものです。農草地は、森林よりも明るい緑系の色に映ります。但し、農地(水田、畑)は、季節によりその状態が大きく変化し、衛星地図の色にも影響します。新潟平野は、田植時期の水田でピンク色に映っています。関東平野などの稲刈後の水田は、裸地と同しように白っぽく映っています。平地に広がる都市・市街地は、赤色、赤紫色に見えます。都市化の状態や季節などによっても若干色が違って見えます。奥羽山脈や中部アルプス連峰に白く見えるのは雪です。また、北海道の中央附近の山岳地帯、天塩山地西側、そして神戸北部などで白く見えるのは雲です。