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-メコン河流域の古環境調査-メコンデルタの洪水
メコン河は全長約4,600km、流域面積約80万km2におよぶ広大な流域を有し、北と南では自然条件がかなり異なることから、流域各地における人間活動や歴史的変遷も様々です。
メコンデルタは、カンボジアの首都プノンペン付近を頂点とする約5万km2の広がりを有する平均標高約2mの巨大な三角州平野です。ここにはオケオやアンコールワットなど、東南アジアの古環境解明において重要な古代遺跡が多数分布しています。デルタでは、毎年5月から6月、モンスーンの到来と上流山岳地帯からの雪解け水によって河川が増水し、9月から10月頃をピークとして洪水が発生します。
写真はメコンデルタの乾期と雨期をとらえた衛星画像ですが、雨期になるとコンポンチャムからロンスエンあたりのデルタ北部地域が洪水で冠水していることがわかります。デルタ地域の人々は、古代からこのようなメコンの自然の流れと変化に順応して生活を営んできたようです。
 
メコンデルタの洪水(2002年1月と10月の画像比較)
画像処理:東海大学情報技術センター
データ:NASA GDAAC MODIS support team
参考資料:宇宙からの古環境調査報告書 (AESTO,2003)